苦しい状況でも、内面の光だけは見失わないための方法、ドイツ強制収容所での生活を体験しなければ気づけなかった真理が一冊に凝縮されています。自己啓発、自分磨きに興味を持った人は必ず読んで欲しい—-人間の深いところを覗いた、他の自己啓発本にはない説得力がある本です。
書いてることに説得力があるのは、実体験として極限状態の人間を観察し、そこから見出された客観的事実を淡々と綴っているからに他なりません。
20代のうちに読んでおきたい本、就活生や新社会人に手に取って欲しい本として紹介します。

「夜と霧」を読むべき理由
悩んだり、深い絶望に直面したり、社会出ると理不尽やどうにもならない問題が私たちを苦しめ、或いは、何もないことが悩みとなっている人もいるかもしれません。それらにどう立ち向かい、人間らしく生きて行く方法は何か、ぜひ感じ取っていただきたいと思っています。すぐには理解できなくても、きっと何かのヒントを得ることができるはずです。
本書で語られているのは、追い詰められた時の、人間らしい、心のあり方についてです。いかなる状況下でも考え方を切り替え、人間的高みへ昇る、精神的に勝利することが幸福に繋がると説かれています。
生きる意味は何か、苦しい状況をどう乗り越えて行くのか、この本は一定の答えを用意しています。資産や環境に左右されない、内面的充実の真理に近づいた物事の考え方と言えます。
旧書と新装版があり、旧書の方は直訳のような文体で読みづらさを感じるかもしれません。焦らず、何度も読むことをオススメします。
夜と霧の読み方 章のパート分け
9章までの各パートが持っている役割を大まかに分けることで、初めての人にもゴールが分かるようにしたいと思います。なお、最初の長い解説文は読み飛ばして問題ありません、本編とはあまり繋がりがないためです。
1章〜6章 収容所における体験と細かな考察
強制収容所への入所による人々の変化、小説を読んでいるかのような収容所内の実態が記されています。この書の説得力に繋がる部分であり、物語を読んでいるようでとても興味を惹かれます。冷静な調子で書かれているので、残酷な場面も気持ち悪さを感じることなく読めます。
7章〜8章 最重要パート
生と死が間近に迫った生活で見出した事実、生きる意味とは何か、私たちが強く生きるために必要なことは何か。絶望の果てに発見した、希望に満ち溢れた思想のあり方が示されます。生きているとはどういうことか、深い問いにため息が出ます。
9章 「人種」の考察と解放された人々
9章はこれまでの振り返りと、解放された後の人々に突いて記述されています。心理的圧迫から解放された人の反応はとても興味深いものがあります。
良心と悪について、他の本では得られない、酷い体験のみが導き出せる貴重な発見について知ることができます。
最後に
繰り返しになりますが、実体験に基づいたこれほど説得力のある本はなかなか出会えません。以下の記事で解説を書いていますので、興味のある方はぜひご覧下さい。
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