相談に乗る人の心構え

 自分ってどんな人かな、と考えていると、人から相談を受ける数が多いことに気づいた。本当に色んな人から相談されるのだけど、共通点はあれど悩みって人の数だけある。相談の乗り方は学校で習わない。できることなら教えて欲しい、相談されるってすごく難しいことだから。

 学校で習わない相談を受ける人の心構えについての備忘録。

アドバイスが必要な相談とそうでない相談がある

 相談を受けるとついアドバイスしたくなるのが人の性。相手は必ずしも答えを求めているとは限らないという、アドバイスしたい人にとっては地獄のような時間が相談である。そんなつまらない時間を過ごすのが相談。今にも口をついて出そうな言葉を引き止めるたびに、いつも悶々とする。相談の本質は迷っていることを口にしたい、誰かと共有したいという気持ちににあったりするから、誰かに話したかったんだなぁと受け止めてあげよう、優しい目で。

 きちんとしたアドバイスをするべき相談もあるんじゃないかな。何かを変えたい時、人生において重大な決断をする時の相談。オシャレになりたい、恋人と今後のために話を進めたい、などなど。前向きな話の時は他の人の意見もうまく受け入れられるものだから、こういう時は素直に感じたことを言ってもいいと思う。

 ただやはり、「アドバイスすることに喜びを感じたい」という気持ちだけはきっぱり捨て去ったほうがいい。アドバイスは相手より上に立てたような気がするから、それ自体に満足して得意げに話をしてしまうもんだ。相談されたら、自分の知能は人類より退化していると心に決めて話を聞こう。

相談者の心の声を引き出す

 もし真剣に相談に乗ろうという気持ちがあるなら、相手の心の声を引き出してあげよう。相談するということは何か引っかかっていることがあって、相談者自身もそれを分かっていないことがある。それをうまく表に出して整理することが、相談を受ける人の仕事の一つだ。

 部活を辞めたいという相談だとして、心の底から辞めたいなら今すぐ退部届を出しているところだろうし、もし辞めていなければただのドMだ。部員や家族、気がかりなことなどが原因で、辞めたくない、辞められない理由が生じていたりするのだけど、それが何で、どういった気持ちなのかをきちんと言葉にしてあげると、意味のある相談になったりする。

 相談を受ける方は、悩みが解決したのかどうか分からない。でも、それが良い相談ってものだと思う。

相談を受けることは、何かを与える行為ではない

 悩みを抱えた人が、そのやり場を見つける手伝いをする。塞がってた道を一緒に発見してあげるのが相談のあり方だと僕は思ってる。持論だけど。決して、自分の持っている知識で全てを解決するというのは相談のあるべき姿ではない、つまり「与える」行為ではない。

 しかし、受け止めるだけでは話が前に進まないし、聞いている方が気が滅入ってしまう。相手の言葉を引き出すことを意識しながら、自分が引きずり込まれないように注意したい。

 

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