僕は人に自分の字を見せるのが苦手だった。なぜなら、人よりなんだかバランスが悪かったから。壊滅的に下手くそではないが、何か不恰好。しかし、習字教室でペン字を習ってからは世界が変わった。ユーキャンのペン字講座のように通信制の講座もあるが、僕は先生から直接習うメリットは比べ物にならないくらい大きいと思う。字を整えた後の自信が溢れる感覚を味わった僕は、苦手な寄せ書きを避けてきた人生から解放されることとなる。できれば就活前に習っておきたかったと後悔するくらいだ。
ここまで書いておいて、実はペン字を数ヶ月習った程度なのだ、お恥ずかしながら。しかし、これで劇的に人前で字を書くことに抵抗がなくなっていく、とても費用対効果の高い習い事なのだ。
遅すぎることはない 大学4年生からの習字教室
就活が終わり、残るは卒業論文を書き思い出を作るだけとなった大学生活4年目。家族の勧めもありペン字を習うことにした。習う前はあまり気も進まず、なぜ家族に勧められるのかも分からずに近所の習字教室を検索した。公民館を使った習字教室がヒットしたので早速電話してみた。
「いいんですけど…」あちらも戸惑い気味だった。僕は大学4年生、現在通っているのは小学4〜6年生たちである。小学生の習い事界では超メジャーな存在だが、以前同じように大学生が習っていたこともあったそうで、先生も快く受け入れてくれた。
週に2日、小学生に混ざって先生から指導を受けた。一緒に机と座布団を出し入れする様はシュールな画だったと思う。でも、子ども達が楽しそうに字を書いているのでこちらも気分良く通えた。
字の達人にはほど遠いが、全体のバランス感覚やこれまで書いてきた字のおかしな部分を自分で分析できるようになった。これが自分にとっては財産になったと感じている。
字のバランスが理解できた
この系統の字は縦長・横に広いなど、綺麗に見せるコツみたいなものがある。字のバランスを感じ取って、こう書いたらいいかもしれないというのが直感的に分かるようになる。幼少期から綺麗な字を書いてきた人には当然にあるこの感覚が、字に自信がない人には全く理解できないものだ。
このバランスが身につくと、一文字一文字の形が整い、文を書く時も全体のバランスが良くなる。半年習っただけだが、この感覚を掴むと多少字が汚くても整って見える。もう寄せ書きを怖がらなくていいと思うと安心する。その後寄せ書きをしたことがないのだけれど。
書いて渡す物、見せるものが苦ではなくなった
僕は寄せ書きが怖かった。何より自分の字が雑なのにコンプレックスを持っていて、失敗しやしないかといつもビクビクしていた。失敗を恐れるあまり鉛筆で下書きをするほど…今考えると失敗を極端に怖がり過ぎていたけど、それくらい自分の字に自信がなかった。
直接習うメリット
通信講座でいいじゃないかと思う人もいるかもしれないが、直接習うメリットはある。それは、先生の筆の動きや息遣いが直に伝わってくることだ。ここは早く、ここは少し慎重に、と先生の書き方や姿勢まで観察することができるのがとてもいい。
また、自分が書いたものに対する反応が早いため、やる気がある時に色んなものを獲得できる。教室に通って習うので、誘惑に惑わされることなく集中できる。ようは環境面で大きなアドバンテージがある。趣味や極めたいことがある時に、環境はかなり重要だ。
費用対効果が高い
習い事にかける時間や費用に対して、得られるものが大きい。苦手意識から、むしろ字を書きたいところまでいけるのだから時間とお金を割いてでも行く価値がある。
「半年しか習ってないやん」と怒られそうだけど、自分自身の目的は達成できたから満足している。最高の字を書くことではなく、ある程度整った字を書けるようになるというのが僕の究極の目的だった。もし通ってみてさらに極めたくなった人はそのまま続けてみてもいいかもしれない。
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