寂しさと生きていく

 時々、寂しくて何もしたくない時間がある。それは休みの日の午後、もしくはベッドに入る1時間前の一瞬。寂しいという気持ちに気づいてから、僕たちは死ぬまで寂しいと思い続ける。

 なにセンチメンタル出しちゃってるの?と自分で自分にツッコミを入れるくらいには冷静なんだけど、こういう時ってだらだらと動画を観るとか毛布に包まるくらいしかできない。どうした自分、何か悲しいことがあったわけでもないのに。

 なぜ寂しい時間があるのか、考えてもあてがない。隙間風が吹くようなものだとすれば、隙間が空いてしまった原因が分からない。治療薬もなく、定期的に訪れる不治の病。死ぬまで付き合うことになるんじゃないかな。

 一人暮らしで寂しさの波が来ると、足元をすくわれてどこかに行ってしまう。いつもこの時間何をして何を考えてるんだっけと、「いつも通り」が曖昧な記憶になってしまう。買ってきたビールもあまり美味しそうじゃない。もっと楽しい時に飲みたい。好きな音楽だってお経みたい、心が弾まない。

 ただ一つ、そんな寂しい僕らを唯一救ってくれるのは、寂しくて惨めな気持ちになっているのは一人じゃないということ。同じ世界に、寂しさで心がかじかんでいる人がいる。僕らは一人じゃない。

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