苦手な人・嫌いな人という存在について

最近、仕事上で苦手な人から突っ掛かられるというストレスフルな体験をしています。こういった人間関係が仕事の悩みのほとんどを占めていると言われていますが、家に帰ってまで嫌いな人のことを考えて憂鬱になるのはまさに「人生の無駄」

しかし、無駄と分かっていながらヤツのことを考えてしまうし、思い悩むのが人間です。
そこで、苦手な人・嫌いな人という存在を細かく分解して客観的に理解することで、こういった人達の影響を無視できるのではと思いましたので、苦手な人・嫌いな人たちを深く掘り下げて考察したいと思います。

私にとっての苦手な人・嫌いな人とは何か

私にとって苦手な人は、敵意を明確に出してくる人、威圧してくる人です。他人との摩擦を好まない性格の私にとって、この攻撃性のあるタイプの人間は私にとって脅威そのものです。

なぜ私は不安を感じるのか

威圧感のある人への苦手意識は、かつて父親に感じていた気持ちと似ているように感じます。つまり、父親の理不尽で傲慢な立ち振る舞いと、苦手な人の威圧的な態度を重ねているのだと思います。

また、組織の中にいる以上、苦手な人のことを簡単に無視することができない状況にあります。狭い組織だと噂はすぐに広まりますし、嫌な人にもそれなりに味方がいるものです。周囲の目もあって雑な対応ができず、狭い組織で長いことこの人と関わるのかと思うと憂鬱な気持ちになってしまいました。

対処法① 他人であることをはっきりと認識する

「他人事」という言葉があるように、誰かが敵意を向けてくることなど「他人事」であると割り切ってしまえば悩みは手元から離れていくはずです。しかし私たちは、怒っている人に感情を揺さぶられたり、何を考えているのだろうと悩んでしまうのです。

なぜこのようなことが起きるのかというと、私たちは自分と他人の区別がつきにくいからです。自分と他人は別人なのだから区別できるのは当たり前じゃないか、と思われるかもしれませんが、苦手な人の感情に飲み込まれるのはそこの区別がついていないからこそなのです。

例えば親子関係だと、自由になりたいけど「子供と一緒にいたい」親の気持ちも分かるので一人暮らしに踏み出せないということがあります。この時、親と自分は別人格でありながら、親の気持ちと自分の感情の境界を見失っています。嫌悪感を抱いている親に対しても起こり得ることですし、親は親、自分は自分ときっぱり割り切らなければ自分の人生を生きることができません。

苦手な他人の場合も同じです。相手がどんなことを考えていようと、他人の感情はその人のものであって私たちが振り回される必要はありません。もとより、他人が考えていることなど私たちにはさっぱり分からないので気にする必要もありません。(気にし過ぎてしまう人にとっては…という意味です)分かった気がしたとしても、感情や思考は複雑なので100%全てを理解することはできないのです。

対処法② 相手を許す(赦す)

許さない、と思っているといつまでも心に残ってしまいます。相手の不遜な態度や不躾な言動を思い出してしまうのは、相手のことを許していないからです。

例えば、いきなり怒鳴られると惨めな気持ちや相手を責める気持ちが湧いてきます。こういう時、「許さない」と思っている方が短期的には気持ち良いかもしれませんが、他人のことを許すというのは、この怒りや悲しみから手を離すということです。

理屈面:許さないと思っている間は、相手への注目をやめられない。
感情面:どんなことがあっても許すという余裕が生まれる

注意していただきたいのは、この考え方は世界に対する信頼感や、最後はどうにかなるという楽観的な考え方に基づいていることです。育った環境などによってはこのように思えない人もいます。

許すということについて違う考え方をするなら、相手をよく理解するということです。相手には相手の感情と理屈があって、私とは相容れないものなんです。自分とは違う価値観や考え方のクセを持っているから仕方ないと、そういう許し方もあるのかなと思います。

対処法③ 相手に対して無感情になる

①、②と関連していますが、相手のことをあれこれ考えるのをやめてしまうというのも非常に強力な手段です。嫌なことは何度も思い出してしまい、そのうちさらに嫌な感情が強まることがあります。考えること自体が苦痛になるので、何らかの方法で嫌な人のことを考えない、そして考えたとしても何も感じないように仕向けていくことが大切です。

人間は疲れていると余計なことをたくさん考えてしまう生き物なので、調子が悪い時はよく寝て何も考えないというのが良いと思います。疲れているなら夜更かしせずに早く寝ましょう。

対処法④ 自分の気持ちに寄り添う

嫌な人と対峙した後、自分を責めるような気持ちになってしまうことがあります。問題は互いの関係性や相手の態度にあるのに、無意識に自分に責任があるように感じてしまうのです。

そういう時は、自分自身の感情に注目して、自分の感情をなだめるように「大丈夫」と心の中で呟くのがおすすめです。何か失敗をしても、全てが自分のせいというわけではないと思います。冷静さを失うと自分に原因があるんだという思いに囚われてしまうことがあるので、自分のせいにし過ぎていないか、考え方の偏りがないかをチェックした方がいいです。

自分の感情に注目してそれをなだめるというのがポイントで、冷静さを失っている時にはゆっくり呼吸をしながら自分のペースを取り戻しましょう。

ここまで書いておきながら、全てを実践することは難しいですし、分かっていても上手くできないということがたくさんあります。しかし、苦手な人のことで深く悩む必要はないと知っていれば、苦手な人と対峙するときに気持ちが楽になるのではないかと思います。苦手な人とは極力関わらないというのが鉄則ですが、苦手な人と接する社会においては上手くやり過ごす力も必要なのかもしれません。

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