神経質な人にとっては、些細なことでも深く考え過ぎたり、悩みの種になってずっとそのことが気になってしまうものです。一度悩み始めると、歩いている時や朝の準備中など、気づけば考え事をしている人も多いのではないでしょうか。私自身、小さな悩みをいつまでも引きずって、ひどい時は2週間ほど気分が落ち込んでしまいます。
この記事では、過去に読んだ本や実際の体験をもとに、辛さを軽減する方法やその状態から抜け出すための考え方をまとめてみました。根本的に悩みを解決するには時間がかかるため、簡単に実践できることから始めてみましょう。
考える時間が長いと悩みが深くなる
悩んでしまう人は、考える時間が長い傾向にあります。悩みは考えてもほとんど解決しませんし、いくら考えても仕方がないので悩みになるとも言えます。
あれこれ考えて気分をどうにかしようとする試みは、私にとってはあまり意味がありませんでした。
ショックな出来事が起きると、そのことを一日中頭の中で考え、他のことが手につかなくなった経験は誰にでもあると思います。問題はそれが何日も続いてしまうことです。
つらい経験に対する反応を訂正する方法もありますが、その場合は自分自身で行わず、臨床心理士や公認心理士のもとで行うことをお勧めします。
追い込まれている時に考えても意味がないのであれば、対処療法的ではありますが、考えないというのは心を守るための一つの防衛策だと思います。
考えない方法
考えることがマイナスに働くのであれば、まずは考えるのをやめることで自分の身を守る方が先であると私は考えました。
「考えない」と言っても現実から逃げているわけではありません。考えないというより、むやみに考えて悩むことを防ぐと言った方が適切だと思います。
頭に浮かんでくることを深く追わない
何か考えそうになった時、自分の感覚に意識を集中させてください。例えば、見えている建物をただぼんやり見つめるとか、肌触りのいい物に触ってその感触だけに集中するとか、なんでも大丈夫です。そうすると、頭の中で考えることより他のことに意識が向いて、考えがどこまでも発展することはありません。
コツとしては、目の前の現象に注意を向けて、考えることをストップさせるイメージです。慣れてくると、上記のようなことを意識しなくても思考を止めることができます。調子が悪い時はつい考え事をしてしまいますが、どんどんマイナスな考えが浮かんできてしまうので、できるだけ考えないというのが私なりの解決策です。
何も考えないようにしても、人間の脳は常に動いています。したがって、考えないというのは頭がすっかり空っぽになるという意味ではありません。何か浮かんできても追いかけないことです。
マインドフルネス
呼吸に集中すること、もしくは他のことに没頭することで不安を感じにくくなるというものです。辛い時、呼吸だけに集中すると、嫌なことが浮かんできにくくなります。何か別のことに意識を集中させるという意味では、ひとつ前の項目で説明したこともマインドフルネスの一種なのかもしれません。
何か失敗して不安な気持ちになった時など、呼吸に集中することでかなり落ち着けることもあります。コツは、落ち着くように考えることではなく、呼吸だけに集中してしまうということです。
不安な状態になると、これらのことを忘れてしまうので、不安になりやすい人はメモ帳などにマインドフルネスを意識するよう書いておくといいかもしれません。
日頃から考え込まない癖をつける
考え込む癖がある方は、日頃から考え込む時間と回数が多くなっていないか振り返ってみましょう。
①考えて答えが出ないことについて、20分以上考えない。
ある一定の時間以上同じことを考えない、というルールを決めて考え事をしましょう。そうしなければ、人は何時間でも考え続けてしまいます。時間の長さは人それぞれだと思いますが、筆者の場合は20分考えて答えが出なければ一旦考えるのをやめます。そしたらどうなるかというと、散歩したり別のことをしている最中に突然解決策が浮かんできたりするものです。
脳は常に動いているので、思いもよらないタイミングで答えが出たりするものです。
※余談ですが、焼きマシュマロの話を聞いた後にシャワーを浴びていると、頭の中でミスチルの「Marshmallow day」が流れていたことに気づいたことがありました。脳は勝手にダジャレを楽しんでいたりするものです。
②細かいことについては考えないことにする。
例えば、今日の晩御飯は豚肉を使うか鶏肉を使うか、こんなことで30分悩んだりしていないでしょうか?筆者もたまに「こんなことで」と思うようなことに数十分悩んだりするものですが、最近になって考える対象が細かすぎることに気づきました。
上の話で言えば、豚か鳥か、正直どちらでも良いですし、仮に鳥の満足度が60%、豚の満足度が40%だったとしても、そんなに大差がないと言えます。「重要な判断だ!」と言われると困ってしまいますが。こうした「考えなくて良い」ことを考えていると、他にも考えなければいけないことが生まれ続けることになります。
※何を細かいこととするかは人それぞれですが、細かいことを考えがちな人は、「他者と比較して」考える物事の細かさが違います。客観的な基準を決めるのは難しいです。
悩むということは、選ぶ時点ではどちらも魅力が同じということです。選ばないことには分かりません。どうしても決められない人は、鉛筆を転がしたりコインを使ったりすると良いかもしれません。
大切なのは、どちらを選ぶか決めたら、その道を信じるということです。明らかに間違いと分かれば話は別ですが、迷いに迷って答えが出ないうちは、自分がこの道を選んだことを誇りに思うくらいが良いでしょう。かの有名なデカルトも、著書の中で同じような趣旨のことを語っています。
まとめ
自分がどのくらい考え込む癖があるのか、これを知るためには自分のことだけではなく、他人を知る必要があります。よく考え込む人からすると、後先考えずに行動する人たちが間抜けに感じられるでしょう。しかし、深く考えて行動している人の方が少数派のように感じられますし、自分がどの程度考え込むタイプなのか知るには、他人の考え込む度合いを知っておく必要があります。
自己理解を進めるには他者を理解する必要がある。比較対象がなければ、自分のことすら分からないのが私たち人間です。
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