友達の結婚式でスピーチをするのは、思っていた以上に責任が重いことでした。それは、一生に一度かもしれない祝いの席に花を添えるという重大な役目だからです。無難に済ませることもできますが、せっかく人前に立って話すなら、二人の幸せを後押ししたいものです。
つい先日、そんな重役を友人から頼まれ四苦八苦しながらスピーチをしたので、この時に気づいたことや注意したことをまとめてみました。
スピーチで気をつけたこと
まず、原田マハさんの「本日は、お日柄もよく」という小説に書いてあることがベースにあります。この本に書かれていることと、私が感じたこと、実際に気をつけたことを書いていきます。
ここにまとめた内容を実践した結果、思ったところで笑いが取れましたし、自分が任された責任は果たせたのかなと思っています。
- 原稿は丸暗記する
- 少なくとも20回は音読練習する。緊張しても言葉が出るようになる。
- 会場が静かになるまで話し始めない
- 話すスピードは少しゆっくり
- 原稿は誰かに見てもらった方がいい
- 笑いは「ほんわか」「ほっこり」を目指した
- 具体的なエピソード→主役を立てるという構成を繰り返す(主役は新郎新婦)
- 長くても5分以内となっているか(みんな興味ないので自己紹介はしなくていい。無駄な話はできる限り削ぎ落とす。)
- 飛んでしまった時のためにメモは持っておこう
原稿は丸暗記する
「スピーチ」をするのであれば、手元を見ることなく自分の言葉で話した方が自然で気持ちが伝わりやすいです。原稿を読むとなると、どうしても手元を見てしまい、また棒読みになりがちです。
周りを見渡しながら話すことで、会場の人々は自分達に向けて話されていることを意識しますし、話し方が短調にならないため、出席者は退屈せず、スピーチに引き込まれていきます。
20回音読練習をする
原稿の暗記には音読が必須です。また、読み上げながら自分の棒読み感や原稿の不自然さに気づけるものです。声を出せない場所では、口だけを動かすのも効果があります。実際にマイクの前に立って話すことを想像しながら練習すると、緊張し過ぎないための訓練にもなります。
音読練習を何度も行うことで、緊張していても自然と言葉が出てくるようになります。私もど緊張していましたが、マイクの前で話し始めると勝手に言葉が出てきました。音読練習は最低20回、当日の集合時間前までやっていてもいいと思います。当日の練習も結構効果があるものです。
会場が静かになるまで話し始めない
マイクの前に立ったら、会場が静かになるまで待ってみてください。すると会場は静かになって、不思議とこちらに注目するようになります。静まる前に話し始めると、最後まで会場はざわついたままスピーチが終わってしまうこともしばしばありますので、これは実践していただいて損はないと思います。学校の先生も同じテクニックを使ったりします。
早く話して終わりたい気持ちもありますが、グッと堪えて待ってみましょう。
話すスピードは少しゆっくり
緊張すると人は早口になります。せっかく良い原稿を書いても、聞き取れなければ意味がありません。また、式場には老若男女さまざまな人がいますし、お酒を飲んでいることもあってゆっくり話した方が聞き取ってもらえるようです。
ゆっくり話すことで、自分自身の気分も落ち着いてくるので、ほんの少しゆっくり、はっきりと話すことを意識してみてください。
原稿は一度、誰かに見てもらった方がいい
結婚式はお祝いの席です。自分が面白いと思っていても、その場に相応しくない話であることがあります。自分だけで考えると、独りよがりな内容になりがちなものです。
例えば、新郎側のゲストとして呼ばれている場合、新郎にまつわるエピソードを紹介することになると思いますが、実は新婦側から見るとあまり嬉しくない過去の話だったりします。分かっているようで、ひとりで作業していると気付きにくいものです。
作家にも編集担当が付くくらいですから、共通の友人に編集役を頼むのがベストです。
笑いは「ほっこり」を目指した
挨拶やスピーチには、雰囲気を柔らかくするために冗談を仕込んだりするものですが、どのくらいのウケを狙ったら良いのか難しいと思います。尖ったジョークだと一部にはウケても、一方では否定的に受け止められる可能性があります。
そこで、私は「ほっこり」を目指すことにしました。お祝いの席なのですから、爆笑の渦を巻き起こす必要はないのです。誰もがフッと笑いたくなるような話題があれば、みんなの気持ちも緩みます。
例えば、主役(新郎新婦)にまつわるお茶目なエピソードや、自虐ネタなら自分だけを犠牲にするなど、他の人を傷つけない笑いの方が結婚式にふさわしいです。
具体的なエピソード→主役を立てるという構成を繰り返す
結婚式でスピーチや手紙の朗読をすると、よく「〜さんは優しくて、どんな時も…です」という風に、性格や人柄の特徴をまとめてしまいがちです。しかしこれだと、聞いている人は具体的にイメージしづらく話をすんなり理解できなかったりします。
そこで、特徴を表す具体的なエピソードを入れることで、「ですので、新郎の○○くんは優しい性格で、みんなからも信頼を得ています」と繋げることができ、聞いている人としては納得しやすいです。
具体的なエピソード→主役を立てる言葉という構成は、作りやすい上に説得力があるのでおすすめです。
長くても5分以内となっているか
出来上がった原稿は、読み終えるまでの時間を測ってみましょう。長く話すぎると場の空気も冷めてしまいます。緊張すると余計なことを話してしまうこともありますので、原稿の時点で5分を超えていたら余分なところを削った方がいいでしょう。5分はあくまでも目安です。
また、「ただいま紹介に預かりました…」というのが定番となっていますが、基本的には司会者が間柄などを説明してくれるので、自己紹介は省略した方がスマートです。スピーチをする人の情報は何度も聞かなくても良いのかなと思っています。
あとは、最初にお祝いの言葉を入れるかどうかは自由だと思います。スピーチの例文を検索すると、必ずお祝いの言葉が入っていますが、これが無い方が聞いている方としては意外な印象があります。私は、手堅く入りたかったので「本日はお日柄もよく、新郎・新婦並びにご親族の皆様、誠におめでとうございます」から始めました。
飛んでしまった時のためにメモは持っておこう
どんなに練習しても、緊張で忘れてしまうことはあります。手元にメモを持っているだけでも、いざという時にメモを見て軌道修正できるという安心感が得られるのでおすすめです。
忘れてしまったとしても最悪なんとかなる、と思うだけで緊張は少しマシになるものです。ぜひメモを持ってスピーチに臨んでください。(紙は便箋がおすすめですが、印刷したものを便箋に貼り付けてもいいでしょう)
まとめ
新婦さんにとって、結婚式は家族や親族に見せる晴れ舞台です。人によっては、人前でスピーチをした経験がほとんど無い方もいると思いますが、そういった不安をなくす意味でもしっかり練習するのがおすすめですし、成功した時の嬉しさは大きいと思います。(経験値と自己肯定感がグッと上がりました)
苦手な人にとっても良い経験になると思いますので、頼まれた時はぜひ挑戦してみてください。
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